TOMIX 583系 きたぐに 床下機器修正

先日に引き続き583系つながりのお話です。今回は以前から気になっていた「TOMIX 583系 きたぐに」の床下機器を修正してみます。


583系のモハネユニットの床下機器についてはTOMIXのカタログで「88番以降の後期グループを模し、…」とあり、確かに模型のモハネユニットの床下機器は前期と後期で作り分けられているのですが、実車の写真を調べるとモハネ582については88番と89番が前期と後期を足し合わせたような機器配置となっていました。資料が見つからなかった同じ製造時期の90番についても同様だったと想定すると、モハネユニットの床下機器の組み合わせは次の表の通りとなります。


よって、表中の「移行期」と仮の名前で分類したモハネ582-88,89,90については結局のところ製品化されておらず、模型で編成を再現するにはこの車番を避けたくなります。


ところが、早期に姿を消した90番を除く88番と89番は急行「きたぐに」のB5編成とB6編成の2編成に組み込まれて最期まで生き残り、また、最末期に唯一前期グループのみで組成されていたB4編成の増結の応援にも88番や89番が組み込まれることがあり、なかなか避けて通ることが難しい状態です。(それでも新潟行きの定期最終列車は前期グループのみで組成された12両編成でしたが。)そこで潔くあきらめてモハネ582-88と89の床下を作ってしまうことにしました。


とりあえず、3次元で再現しなければいけないT車よりも、ほぼ2次元で再現すれば良いM車の方が簡単そうなので、M車の床下カバーの加工を考えます。また、加工箇所が少なくなる後期グループの床下カバーをベースにします。

 
公式側については図のように前期床下の機器の一部を移植しますが、今回は「型想い」で型を取り、プラリペアで必要な機器の複製品を作って移植しました。
なお、機器を移植する部分については、削り落す機器の裏に動力ユニットへ固定するためのツメがある箇所があり、事前にツメの左右にプラリペアを流し込んで補強しておきます。また、削り落とした部分には穴が空くので、プラリペアかパテでベースを再生しておきます。

 
非公式側については図の通りに機器の削り落としと削ぎ取りを行い、削ぎ取った機器を少し左に移動します。ここでも、機器の跡には穴が空くので、プラリペアかパテでベースを再生しておきます。
次に、機器を移動して空いたスペースにタンクを取り付けます。タンクはプラ棒をかまぼこ状に加工したもので、0.2mmの真鍮線を巻き付けてそれらしくしています。このとき、真鍮線の先はベースを貫通させ、ベースの裏から瞬間接着剤を塗ってヤスリがけをして平滑にしています。これは、動力ユニットに床下カバーを被せたときに当たって邪魔にならないようにするためです。


仕上げにフラットベースを混ぜた黒色で塗装して完成です。


早速、所有する2編成の急行「きたぐに」にモハネ582-88番と89番を組み込みます。再現した編成は、クハネ583が残っていた2008年のB5編成と、定期運転終了前月の2012年2月に乗車したB6編成(12両編成の車番は2011年の記録)になります。(動力車は2・4号車に設定しています。)
ちなみにパンタグラフはどちらの時代ともシューの先が2本のホーンになっているタイプで、全区間で大阪方が下げられていたようです。


今回はこれで終わりです。
何気に「きたぐに」に限定された話ではなかったのですが、当社で他に保有する583系については88~90番を外して編成を組んでいるので、記事のタイトルには「きたぐに」を冠することにしました。
それでは。<(_)>

⇒ 2019.9.11 製作方法を見直しました。